太宰治を読むならまずこれを読め!おすすめ作品4選
言わずと知れた作家、太宰治
日本人なら誰もが知っているあの人、太宰治。
でもみなさん、彼の作品読んだことありますか?
なんとなく敬遠している人が多いのではないかと思います。
おすすめの名作、生い立ち、小話、ご紹介致します。
この機会に日本文学に触れてみては。
太宰治はどんな人?
まずは、彼のプロフィールから紹介しようかと思います。
・太宰治:1909年-1948年(満38歳没)
・本名:津島修治(つしましゅうじ)
・生い立ち:貴族院議員の父を持つ六男坊として、青森県の津軽に生まれます。
・最終学歴:東京帝国大学(現東大)仏文科中退
それからは井伏鱒二に師事し、小説活動をします。
美知子と結婚しますが、最後は愛人と入水心中で幕を閉じます。
●『晩年』(1936年)
これは太宰の処女作であり、短編集です。
15作がこの1冊に詰まっており、一つ一つが短めなので、普段小説を読まない方でも読みやすくなっています。
【太宰治の名言】
”死のうと思っていた。”
1作目の『葉』という物語。
この1文から始まります。とても衝撃的。
【晩年に関する小話】
当時27歳であった彼は、この『晩年』を、「遺書」として10年かかって作り上げました。
”まる十箇年、市民と同じさわやかな朝めしを食わなかった。”
と言っているほどです。
文字通り「命を懸けた作品」と言っても過言ではないでしょう。
●『ヴィヨンの妻』(1947年)
戦後の日本を舞台に、ダメな夫を、たくましい妻の視点から描きます。
戦後間も無く食糧や酒に不足している中、金を払わず飲み食いをする夫。
その妻の元へ、居酒屋の店主がお金を返してくれと、訪ねてきます。
【太宰治の名言】
”私たちは、生きていさえすればいいのよ。”
妻の最後の一言です。
夫がダメでも、妻は強い女性であることを表しています。
時代背景も伺えます。
【ヴィヨンの妻に関する小話】
「ヴィヨン」とは、15世紀の詩人フランソワ・ヴィヨンから来ており、彼もまた、放蕩詩人という点で夫と共通しています。
戦後、疎開先であった津軽から三鷹の家に戻ってきて作り上げた作品。
ちなみに映画化もされてます。
●斜陽(1947年)
没落貴族となったうえ、父を亡くしたかず子と母のお話。
生活苦のため伊豆で暮らす中、戦時行方不明となっていた弟の直治が帰ってきますが、麻薬中毒でした。
彼は家の金を持って東京の男と遊びます。
かず子はその男に熱烈な想いを抱きます。
【太宰治の名言】
”人間は恋と革命のために生まれてきたのだ。”
この1文に、太宰の社会に対する思いや、この作品の意図が込められています。
【斜陽に関する小話】
当時、「斜陽族」という言葉が流行りました。
没落していく上流階級の人を表した言葉です。
辞典にも、斜陽の意味に「没落」という言葉が入るほど
この作品は世の中に影響を与えました。
●人間失格(1948年)
おそらく一番有名な名作です。
名が通り過ぎて何も感じないかもしれませんが、「人間失格」という題名が常軌を逸しています。
ある男の子を主人公に、幼少期から青年にかけての物語です。
三部で構成されており、だんだん年を重ねていきますが、同時に退廃していきます。
【太宰治の名言】
”恥の多い生涯を送ってきました。”
生の苦しみを描いたこの作品の文学としてのテーマの深さは、
どうにかなるものではありません…。
【人間失格に関する小話】
『人間失格』→『グッド・バイ』→自殺
彼は晩年をこのような順で作ります。
だから「遺書」として捉えられることもできます。
また、太宰自身をモデルにした作品という説もあります。
映画化だけではんく、漫画化、アニメ化など幅広いです。
永遠不朽?
太宰治の代表作を取り上げました。
彼がどのような人生を辿ってきたか、
興味が湧いたらどれか手にとって読んでみてください。
これで少しでも日本文学に親しめたら良いかと思います。
人間失格は特に評価が高く、
あの又吉も絶賛してます。
コメント一覧
とても救われています。